川端研究室 - 研究内容

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研究内容と業績
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研究内容

ビジュアルシーンの境界や物体、配置の認知における色彩の役割について
 色処理メカニズムの研究から、色彩は人間の様々な知覚・認知過程に貢献していることがわかります。色は時空間的境界を検知して物体を見つけ出し、複数の物体からなるシーンに配置するという視覚検出の根幹的仕事に関わっているだけでなく、効果的な配色は瞬時にシーン表象全体の印象を決めてしまいます。当研究室ではこのような日常的場面の認知における色の役割を実験的に検討しています。
 最近では、「色コントラストの空間周波数特性・方位検出特性」「色コントラストによる境界の特性」「情景の把握や再認記憶における色の役割」「映画の1シーンはなぜ彩色で記憶に残りやすいか」などについて実験データを収集しています。

見ることの熟達化と色彩の役割について
 「見る目がある」「目が肥える」「審美眼」などという言葉がありますが、美術の鑑定家やキノコ取り名人などを考えれば(衣服の色彩センスが良い人やTVゲームのうまい人でも構いません)、もの見る・見極める能力は明らかに経験によって向上します。色彩はこの見ることの熟達化に大きく関わっているようです。
 最近では、「デッサン熟達者のシーン再認記憶」「色識別能力の個人差」「女性は淡い赤黄紫色の識別が得意」「意識しない日常経験や学習が色識別力を向上させる」「カメラマンの卵のシーン把握の方略」などについて実験データを収集しています。

視覚システム(特に色処理系)のダイナミズムについて
 視覚処理の初期過程における情報抽出について、実験的研究及び計算論的モデル化を行なっています。とくに人間の色処理能力に焦点を当てて、「視覚系の環境適応能力とその限界」、「色情報処理における機能障害とその補間」、「色覚障害者の空間解像力は健常者よりも良い!?」、「視覚モジュール間の相互作用」といった問題を研究しています。
 人間は見ることのうち色処理に膨大な脳のリソースを割いていると思われますが、2色型等の色覚障害の視覚は先天的に色処理をしなくてよい分、リソースを他の機能に振り分けることができるのではないか。そんな融通の利く(可塑性の高い)脳を私たちは持っているのではないでしょうか。

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